研究課題/領域番号 |
20K08625
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
橋本 多恵子 山形大学, 医学部, 助教 (30507629)
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研究分担者 |
張田 豊 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (10451866)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 巣状分節性糸球体硬化症 / ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群 / 日本人遺伝的背景 / genetic FSGS / クリニカルシーケンス |
研究実績の概要 |
①診断および診療の選択に活用する体制の構築:新規に2022年度は4家系の解析対象患者検体が収集された。全エクソーム解析施行し、解析結果が返却され次第、114の病因候補遺伝子について評価し、結果をエキスパートパネル会議で臨床データや病理写真等も併せて評価し、その病原性について検討を行った。コロナ禍で一同に会する会議が困難であったため Web会議を施行した。パネル会議の結果、候補遺伝子変異・確認が必要な患者に関しては、家族検体の収集をし、当該遺伝子解析、既報病因変異およびACMGガイドラインでPathogenicとされる変異については、迅速に第一報を主治医に返却した。また、候補遺伝子を114遺伝子として検討してきたが、新たな原因遺伝子の発見やエビデンスの蓄積により、解析対象遺伝子の見直しを行うことにより、114遺伝子から134遺伝子まで評価対象を広げることとした。また、臨床症状によっては、巣状分節性糸球体硬化症の原因遺伝子に限定せず、腎不全、腎尿路奇形関連遺伝子、腎尿路奇形関連遺伝子まで範囲を広げて検索もした。 ②日本人特有の病因遺伝子やバリアントに対する遺伝子解析 本年度の対象となった4家系については、解析を施行したものの、明らかな巣状分節性糸球体硬化症の病因遺伝子の候補になるものが検出されなかった。したがって、日本人特有という意味での特徴を示すまでに至らなかった。再度、病因遺伝子候補が見つからなかった家系において、再度あたらしい候補遺伝子について、再確認も継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により、必要な実験器具(特にフィルター関連)が入手が困難になっており実験推進が困難になっている。また患者検体入手においても、患者の受診の 遅れや病院受診機会縮小などにより、困難になっているため。
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今後の研究の推進方策 |
今年も、昨年度と同様に、診断および診療の選択に活用する体制の構築としては、解析対象患者の収集を継続し、全エクソーム解析施行し、結果をエキスパートパネル会議で速やか評 価し、既報病因変異およびACMGガイドラインで Pathogenicとされる変異については、迅速に第一報を主治医に返却し、クリニカルシーケンスの基盤づくりを一 層進める。また、エキスパートパネル会議の結果、候補遺伝子変異・確認が必要な患者に関しては、家族検体の収集をし、当該遺伝子解析を進める。また VUS(Variant of unknown significance)に関しては、その影響度、重要性を鑑み、優先順位をつけ、機能解析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
特に学会出張費がコロナ禍のため使用できなかったことが主因であるが、順次出張 許可になってきているので、順次使用予定としている。
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