研究課題
基盤研究(C)
クロト蛋白補充は、HIGAマウスにおいて収縮期血圧、アルブミン尿、イソプロスタン排泄、糸球体ろ過率、腎アンジオテンシン濃度、腎でのアンジオテンシノーゲン発現を低下させた。また、クロト蛋白補充は、腎のsuperoxide dismutaseとクロト発現を上昇させた。腎亜全摘ラットにおいて、クロト蛋白補充は収縮期血圧、アルブミン尿、FGF23、血清リン濃度、腎アンジオテンシン濃度、腎の線維化や腎におけるコラーゲンとTGFβの発現を低下させた。また、クロト蛋白補充は糸球体ろ過率、リン排泄率や腎におけるsuperoxide dismutase、クロト、BMP7の発現を亢進させた。
腎臓内科学
IgA腎症も全ての腎疾患の最終像である進行性腎疾患も現在まで有効な治療法が確立していない疾患群で、透析導入も高率であり、unmet needが高い。今回の結果は、IgA腎症モデルマウスと進行性腎疾患モデルである腎亜全摘ラットでクロト蛋白補充の有用性を示した。安全性について更に検討する必要があるが、これらの研究は、将来の臨床研究に向けて基礎的なデータを提供できたものと考えられる。