研究課題/領域番号 |
20K08643
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
木原 正夫 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50512604)
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研究分担者 |
鈴木 仁 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10468572)
鈴木 祐介 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70372935)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 樹状細胞 / IgA腎症 / B細胞 / APRIL / TLR9 |
研究実績の概要 |
IgA腎症(IgAN)の発症・進展の鍵となる糖鎖異常IgA(Gd-IgA)の産生機序を解明すべく、粘膜免疫応答においてT細胞依存性および非依存性にB細胞に働きかけIgA産生に関わる樹状細胞(DC)に注目し、in vitroでの検証を開始した。IgAN自然発症モデルであるgrouped ddY (gddY) マウスおよびコントロールのBalb/cマウスの脾臓から自動磁気細胞分離装置にて単離したDCとB細胞を、DC上のToll-like receptor(TLR)9のリガンドであるCpG oligodeoxynucleotides(CpG-ODN)type A刺激/非刺激下にて共培養し、96時間後の培養上清中のIgAをELISAにて測定した。さらに、DCはセルソーターによりplasmacytoid DC(pDC)、CD8+ conventional DC(cDC)、CD11b+cDCsの脾臓における主要な3つのサブセットに分けて、IgA産生に関わる主なサブセットを検証した。更にDCにおけるTLR9やinterleukin-6、a proliferation-inducing ligand (APRIL)、B-cell activating factor belonging to the tumor necrosis factor family(BAFF)など、B 細胞機能を調節しIgA産生に関わるとこれまで報告されているDC 由来の分子の発現をquantitative PCR(qPCR)にて解析した。 結果としては、Balb/cのDCと比較しgddY由来のDC は、gddY、Balb/cいずれのB細胞との共培養においてもIgA産生を亢進させ、CpG ODN type Aの刺激によりその効果は増強することが確認された。更に、IgA産生誘導能に関してgddYマウス由来のpDCはCD8+ cDCやCD11b+cDCsと比べて優位であった。また、qPCRの検証ではBalb/c由来のDCと比較してgddYのDCでは、APRILの発現が亢進しており、cDCよりpDCで特にTLR9やAPRILの発現が亢進していた。これらの結果により、IgAN自然発症モデルにおいて、TLR9の活性化を介したAPRILによるIgA産生にpDCが主に寄与する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現時点で評価できている項目がmRNAの発現の段階までで、蛋白の発現を確認するには至っておらず、また病態の鍵を握るGd-IgAの産生に樹状細胞が関わるか否か評価できていない。理由としては、COVID-19パンデミックにより研究時間が割かれたことや、存在比率の低さにより樹状細胞を十分量得られず、共培養の系の進捗が遅かったことなどが挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
pDCにより産生亢進したIgAが糖鎖異常IgAであるかWestern BlottingやELISAにて評価する。pDCがIgANの病態に寄与する主たる樹状細胞サブセットである可能性をin vitroの系にて示したのちに、gddYマウスのpDCを枯渇させることで、腎炎の程度に変化があるか否か検証していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
In vitroによる検証については、今年度中には間に合わず、来年度に予算計上した。
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