今後の研究の推進方策 |
SHPT患者から摘出した副甲状腺腫より次世代シーケンサー(NGS)によって取得した機能性RNAデータベースを用いて、同一個体内の最大腺および最小腺で比較した配列を抽出。それらをTargetScanによって3’UTR領域における相補配列を含む特性から標的mRNA(CASR, VDR, PTH, CGA, LRP2, Klotho, FGFR1, CASP3, CCND1, CCND2, CDKN1A, CDKN1B, MKI67, TGFA, EGFR)に対する候補となる機能性RNAを選別し、in vitroにて機能検証を行う。これまでの実験から副甲状腺結節内の遺伝子発現パターンに差があることが示唆され、組織切片上で発現低下がある単結節部分と正常組織を含むびまん性結節部分をそれぞれ選択的に回収後、標的mRNAおよびmiRNAの結節毎の発現をqPCRにて解析する。またISHにて結節毎の遺伝子発現局在を調査する。 副甲状腺細胞増殖に制御活性のあるmiRNAとその標的mRNAを同定し、高リン環境におけるmiRNA発現の差異を分析し、動物モデルで長期的なmiRNA効果の持続を確認するため、データベースの中でCDKN1AやCDKN1Bへの結合が予測されるmiRNAを候補として、副甲状腺細胞での発現を測定し分析する。アデニン腎不全モデルラットを用いて、高リン環境における副甲状腺の遺伝子発現解析を行い、miRNAとその標的分子との関連を評価することで細胞周期におけるmiRNAの機能を明らかにする。可能であればマウスゼノグラフトでmiRNAの長期的な効果を評価する。
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