肥厚性皮膚骨膜症(PDP)はばち指、骨膜性骨膜肥厚、皮膚肥厚を特徴とする遺伝性疾患である。原因はPGDHやSLOCO2Aの欠損によるPGE2過剰症状とされる。COX阻害薬が症状を和らげる。しかしSLCO2A1欠損型では合併する消化器症状のためCOX阻害薬が使用できないことも多い。この研究では、SLCO2A1型PDPに着目し、COX阻害薬以外の治療薬の同定を目指した。この目的にSLCO2A1欠損細胞が有用である。本研究では、少なくとも1系統の完全型PDP患者由来iPS細胞を樹立した。これにより、SLCO2A1の機能やその欠損の影響を試験管内で解析可能となった。
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