研究課題/領域番号 |
20K08664
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
吉田 和恵 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 小児外科系専門診療部, 診療部長 (70383776)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アトピー性皮膚炎 / ラマン分光計 / 天然保湿因子 / 角層 / 乳児 |
研究実績の概要 |
アトピー性皮膚炎の病態において皮膚バリア機能異常の重要性が注目され、新生児期からの保湿剤の外用によりアトピー性皮膚炎の発症率が低下するという報告がある。新生児期からの皮膚バリア機能の補完は、アトピー性皮膚炎発症予防のための新たな戦略となりうる。しかし、アトピー性皮膚炎を発症する新生児は発症しない新生児と比較して、皮膚バリア機能、保湿機能に関与する角層内因子で実際に何が不足しているのかは明らかとなっていない。本研究では、新生児期から共焦点ラマン分光計による角層内因子の解析を行い、アトピー性皮膚炎・アレルギー疾患の発症との相関を解析することで、アトピー性皮膚炎・アレルギー疾患の発症に関与する角層内因子を解明することを目的とする。新生児期からアトピー疾患の発症、予後を予測する因子の発見、予防治療法の開発に向けて有用な知見を得ることが期待でき、社会的意義は大きい。当初、アレルギー疾患におけるハイリスク乳児の出生コホート研究の参加者を対象としていたが、新型コロナウィルス感染症流行などにより研究リクルートが困難となったこともあり、アレルギー疾患におけるハイリスク乳児と健常児も含めた新生児を対象とした測定を行うこととした。ただし、健常児においても、新生児期からの共焦点ラマン分光計による測定報告は少なく、貴重なデータであると考える。2022年3月末までで、新生児50名をリクルートし、0ヶ月児48名、1ヶ月児46名、2ヶ月児45名、6ヶ月児45名、12ヶ月児41名のフォローが完了している。角層内因子とアトピー性皮膚炎発症についての解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、当初、アレルギー疾患におけるハイリスク乳児の出生コホート研究の参加者を対象としていたが、新型コロナウィルス感染症流行などにより研究リクルートが困難となったこともあり、アレルギー疾患におけるハイリスク乳児と健常児も含めた新生児を対象とした測定を行うこととした。ただし、健常児においても、新生児からの共焦点ラマン分光計による測定報告は少なく、貴重なデータであると考える。2022年3月末までで本研究参加の文書での同意を得て、新生児50名をリクルートし、0ヶ月児48名、1ヶ月児46名、2ヶ月児45名、6ヶ月児45名、12ヶ月児41名のフォローが完了している。新型コロナウィルス感染症流行により対面での測定を希望されない場合は、アンケートのみでの臨床情報の取得も行うこととした。対面で皮膚バリア測定が行えたのは、0ヶ月児48名、1ヶ月児41名、2ヶ月児35名、6ヶ月児37名、12ヶ月児34名であり、アンケートによる臨床情報のみを行ったのが、1ヶ月児5名、2ヶ月児10名、6ヶ月児8名、12ヶ月児7名となっている。また、新型コロナウイルス感染拡大時は対面での皮膚バリア測定が困難であったが、貴重なデータを得るため、12ヶ月児については、24ヶ月まで測定期間を延長したため、解析がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染症流行により、想定よりリクルート、測定が困難なこともあり、一部計画の変更を行い、やや進行が遅れているが、今後、皮膚バリア測定結果と臨床情報の関連解析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症流行のため、学会参加を中止、またはオンラインでの参加としたことで、学会参加費用、旅費が予定より少なくなったこと、皮膚バリアの測定実施回数が減少したことから研究補助者の人件費が予定より少なったことにより、次年度使用額が生じた。次年度に学会参加費、解析費用、論文投稿に必要な費用などとして使用する予定である。
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