研究課題
基盤研究(C)
本研究では、主にアトピー性皮膚炎の発症リスクの高い乳児の角層内因子を共焦点ラマン分光装置を用いて生後数日、1ヶ月、2ヶ月、6ヶ月、1歳と経時的に測定し、乳児期の皮膚バリアの変化と乳児期に発症する脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎との関連を解析した。乳児期は角層内の水分量、天然保湿因子、セラミドなどが大きく変化し、角層バリアの変化と乳児期に発症する皮膚炎との関連することが示唆された。
皮膚科学
本研究により出生直後から1歳までの角層内因子の経時的な変化が観察され、乳児期の皮膚バリアや皮膚炎の病態を理解する上で重要な知見が得られた。さらに、臨床的に明らかに乳児脂漏性皮膚炎や乳児アトピー性皮膚炎を発症する前に、角層内因子の変化が生じていることを示唆するデータが得られた。乳児期の脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎発症の病態や早期診断、予後予測に繋がる有用な知見と考えられ、社会的意義は大きい。