CRISPR-Cas9による表皮細胞COLVII-NC2領域のKO:COLVII-NC2領域のCOLVII同士の結合に必須な部位を同定する目的に、培養表皮細胞でNC2領域のKOを行った。①マウスCOLVII-NC2領域をコードしているゲノム内の5’-NGG-3’配列を示す複数の部位に対して、相補的なDNAを作成。②guide RNA、Cas9を同時に発現できるベクター内に組み入れ。③新生C57BL/6マウスの皮膚から表皮細胞を培養、回収。④NC2領域KOのためクローニングしたベクターを挿入。⑤NC2領域のKOを、抽出タンパクを用いてimmunoblotで確認。 三次元培養皮膚の作成、COLVII結合必須部位の同定:上記⑤でNC2領域がKOされた表皮細胞を用い、三次元培養皮膚を作成、係留線維の構造的特徴を透過型電子顕微鏡で観察、NC2の結合必須部位を同定。①C57BL/6背部皮膚から線維芽細胞を培養、増殖。②NC2領域KO表皮細胞株をマウス線維芽細胞上に置き培養、三次元培養皮膚を作成。③標本を作製、透過型電子顕微鏡で基底膜下の係留線維の構造的特徴を解析。④NC2領域内のCOLVII結合必須部位を同定。 間葉系幹細胞による脱毛抑制効果:間葉系細胞である毛乳頭細胞は、様々なサイトカインを産生し毛周期をコントロールしている。また、毛乳頭と毛母細胞との間にはCOLVIIが強く発現している。表皮細胞由来COLVIIが欠損している皮膚に真皮側からCOLVIIを補充する目的で、間葉系幹細胞を移植、脱毛改善について検討した。①NC2-cKOマウス脱毛部背部皮膚を免疫不全マウスに移植。②皮膚生着後、間葉系幹細胞を植皮片周囲に週1回皮下注。③発毛が見られたら、適宜生検、COLVII発現を免疫染色で確認、係留線維の構造的変化は電子顕微鏡で解析した。
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