NKG2D、NKG2D ligand発現制御による円形脱毛症の新規治療の開発
本研究では様々な円形脱毛症の病期、病型における血中可溶性NKG2D ligand濃度を測定することでバイオマーカーとして利用可能かどうかを検討する。また可溶性NKG2D ligandによるNKG2D発現の制御を検討し、円形脱毛症治療への可能性を検討することである。バイオマーカーを見いだすことで治療効果の推測、予後の事前推測、難治化を検討するための指標となり得る。円形脱毛症のバイオマーカーを検討することは従来なされておらず、学術的独自性が高く、また患者の治療選択や継続の有用性を検討するにあたり、バイオマーカーを検討することは研究を患者に対して還元するにあたり極めて有用性が高いものと考えている。 円形脱毛症を発症したC3H/HeJマウスの鼠径、腋窩リンパ節よりリンパ球を採取し、30IU/ml IL-2、IL-7 (25 ng/ml)、IL-15 (50 ng/ml)、Dynabeads T activator CD3/CD28とともに5日間培養後、8週齢の未発症マウスに皮内注射することで、円形脱毛症を誘導した(Wang et al. J Invest Dermatol 2015)。皮膚症状において浸潤するT細胞はNKG2D陽性細胞をみとめ、また病変部では毛包上皮を中心にH60(NKG2Dリガンド)発現を認めた。IL-15、IFN-gといった炎症生サイトカインの上昇も認めている。なお血清中の可溶性NKG2D ligandの検討のため血清をストックしている。マウス可溶性NKG2D ligandは、培養CD8陽性T細胞のNKG2D発現を抑制させる傾向であることが判明した。PD-1発現とNKG2D発現はともに相反する発現量である可能性が高い
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