本研究では様々な円形脱毛症(AA)の病期、病型における血中可溶性NKG2D ligand濃度を測定することでバイオマーカーとして利用可能かどうかを検討した。浸潤するT細胞はNKG2D陽性細胞をみとめ、また病変部では毛包上皮を中心にH60(NKG2Dリガンド)発現を認めた。マウス可溶性NKG2D ligandは、培養CD8陽性T細胞のNKG2D発現を抑制させる傾向であることが判明した。PD-1発現とNKG2D発現はともに相反する発現量である可能性が高い。すなわち可溶性NKG2D ligandは円形脱毛症の病勢を抑制する方向に働く可能性があり、脱毛範囲と反比例する可能性がある。
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