研究課題
乾癬患者皮膚病変部、あるいは皮膚腫瘍手術標本断端のパラフィンブロック標本を用いて、EBI3の発現を免疫染色法によって検討したところ、EBI3は乾癬病変部の表皮にて全層性に高発現していることが確認された。培養ヒト正常表皮角化細胞を炎症性サイトカイン(TNF-alpha+IFN-gamma+IL-17A、いずれも50ng/ml)で24~96時間刺激後、培養上清を遠心式限外ろ過フィルターにて25~80倍濃縮し、一次抗体(抗EBI3抗体)と4℃一晩インキュベート。Protein Aアガロースビーズ処理後、PBSで洗浄し、0.1mol/l グリシン-塩酸緩衝液 (pH2.2) で懸濁し、結合蛋白質を溶出。その後トリプシン消化(Trypsin、37℃、一晩)し、nano LC-MS/MSによる受託プロテオーム解析を施行したところ、EBI3蛋白を検出することが出来たが、p19、p28、p35は検出されなかった。これらの結果からは表皮角化細胞がIL-27、IL-35、IL-39を産生しているとは考えにくく、EBI3モノマー・ホモダイマー・ホモトリマーあるいは未知のヘテロダイマーなどを産生している可能性が示唆された。以上の結果をInternational Journal of Molecular Sciences誌に報告した。
2: おおむね順調に進展している
乾癬病変部表皮角化細胞がEBI3蛋白を発現していることを免疫染色法にて確認することが出来た。また乾癬を模倣したサイトカイン刺激下培養病費角化細胞においても同蛋白は発現しているが、IL-27(EBI3とp28)、IL-35(EBI3とp35)、IL-39(EBI3とp19)として発現確認することは出来ないことをELISA法およびnano LC-Ms/Ms法にて確認出来た。また、これらの結果を英文雑誌に報告した。
ドキシサイクリンで誘導可能なHaCaT細胞株を作成する。HaCaT/EBI-Strep-tagII-puro+EBI-GFP-Bsr細胞、HaCaT/p19-S-tag-puro+EBI-GFP-srS細胞。免疫沈降+ウエスタンブロット法を用いてEBI3のホモダイマーの存在、EBI-p19ヘテロダイマーの存在について検証する。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
International Journal of Molecular Sciences
巻: 22 ページ: 12659
10.3390/ijms222312659.