研究課題/領域番号 |
20K08678
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
津田 英利 自治医科大学, 医学部, 助教 (30414923)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | PTRF/Cavin1 / SNPs / psoriasis / genome editing |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、PTRF遺伝子のintron部における、rs963986C>Gの変異導入を試みた。細胞は、正常ヒト表皮細胞の確立した細胞株として広く用いられていいるHaCaT細胞を用いた。Cas9はタンパク質として、ガイドRNAと同時にトランスフェクションを行った。また変異導入用に作成した1本鎖DNAも同時にトランスフェクションを試みた。その後細胞を限界希釈し、96wellプレートに分注した。顕微鏡下で1-2細胞のwellを選び、その後ゲノムDNAが抽出可能になるまで、細胞を増殖した。十分増殖させた細胞は、回収し、ゲノムDNA抽出用と凍結保存用に分けた。DNAを抽出後、目的領域をPCRにて増幅し、サンガーシークエンスにてDNA配列を調べた。その結果、1-13塩基ほど欠損が見られた細胞株を得ることは出来たが、目的の1塩基変異を導入できた細胞株を得ることは出来なかった。最も欠失が少ない1塩基欠失の細胞株を用い、RNAを抽出後、PTRF遺伝子及び、ゲノム上その周辺に遺伝子がコードされている、STAT1、STAT3、STAT6等の発現量をqPCR法にて調べた。その結果、野生型HaCaTと比較して、大きく発現が変化している遺伝子は見られなかった。HaCaT細胞以外の皮膚由来の細胞についても変異の有無を調べることとした。自治医科大学皮膚科学講座にて確立された、表皮由来のDJM-1細胞について、rs963986の変異を持っているか否か、確認を行った。そうすると、rs963686と同じ一塩基多型を持っていることが解った。PCRで増幅した範囲内では、他の1塩基置換は見られなかった。そのため、今後のHaCaT細胞との比較に用いることにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
CRISPR/Cas9システムにより、HaCaT細胞の目的とする部位の切断は確認されるものの、1塩基置換された配列が捕まらない。理由としては、HaCaT細胞のトランスフェクション効率が他の細胞と比べて低く、長い置換用の一本鎖DNAの導入効率が低いことが考えられる。継続してこちらは行う。
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今後の研究の推進方策 |
今後も適宜、変異導入を行い、スクリーニングを行う。欠損細胞株については、未刺激時には差は出なかったので、乾癬関連サイトカインやSTAT1やSTAT3への刺激を行い、再度比較を行う。また、同部位に変異の見られたDJM-1を対象にして、各STATの発現が変化するのか否か、欠損細胞株同様に、STAT1、STAT3への刺激を入れて、HaCaT細胞と比較を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の中断期間が有り、業務を行うことが出来ない期間があったため。引き続き、ゲノム編集を行うために、トランスフェクション試薬と細胞の培養に必要な培地やプラスチックディッシュの購入に使用する。そして、変異導入確認用のゲノムDNA抽出試薬、PCR試薬の購入、及びシークセンス外注に使用する。また、遺伝子発現解析用に、TaqManプローブを新たに数種類購入予定である。
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