研究課題/領域番号 |
20K08680
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
古宮 栄利子 順天堂大学, 大学院医学研究科, 助教 (90647009)
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研究分担者 |
高森 建二 順天堂大学, 医学部, 特任教授 (40053144)
冨永 光俊 順天堂大学, 大学院医学研究科, 先任准教授 (50468592)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | かゆみ / アロネーシス / CD26/DPPIV / エンドモルフィン / 神経ペプチド / 末梢組織 / オピオイド |
研究成果の概要 |
アトピー性皮膚炎などに代表される皮膚疾患では、通常では侵襲性のない機械刺激がかゆみを誘発する「(機械的)アロネーシス」というかゆみ過敏現象が、かゆみと掻破の悪循環の引き金となることが知られる。アロネーシスの発現機序として皮膚バリア低下に伴う神経伸長のみが知られていた中、申請者はCD26欠損マウスが神経伸長を伴わずにアロネーシスを起こすことを発見した。そこで既知の神経伸長とは異なるかゆみ過敏の発現機序を解明することを目的に同マウスを用いた解析を行った結果、アロネーシス促進因子エンドモルフィン(EM)および EM-CD26調節軸を同定した。本成果は即効性の高い抗かゆみ過敏治療薬の開発へ発展しうる。
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自由記述の分野 |
かゆみ 皮膚科学 動物行動学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の研究において、通常のかゆみこと「化学的かゆみ」と機械刺激によるアロネーシスの伝達経路は、異なる神経経路を介すことが明らかになりつつある。しかし化学的かゆみが末梢組織と脊髄の両方においてその機序が詳細に解明されつつあるのに対し、アロネーシスの亢進機序については、脊髄で仲介神経集団の同定が進んでいるものの、末梢組織においては神経伸長が知られるのみであった。 今回の成果は、末梢において神経伸長によらないアロネーシス亢進機序を明らかにした点に学術的意義があると考えられる。さらにこの成果で同定されたCD26の持つアロネーシス抑制効果は、即効性の高いかゆみ過敏治療薬にも応用できる可能性がある。
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