メラノーマは進行期では免疫抑制性細胞を介した免疫逃避機構が成立するため,予後不良である.Macrophage migration inhibitory factor(MIF)は,メラノーマの腫瘍増殖を促進することが知られている.MIFの同族体であるD-dopachrome tautomerase(D-DT)も樹状細胞やマクロファージに高発現し,腫瘍の進展や転移に関与するCD74 を受容体とする炎症性サイトカインである.したがって,CD74との相互作用によるメラノーマの腫瘍微小環境や転移への関与が推察されるが,詳細は不明である.本研究ではメラノーマの腫瘍微小環境に対する炎症性サイトカインD-DTの特異的作用を解析し,メラノーマに対する宿主の免疫応答のメカニズムの解明と治療ターゲットとしての可能性の検討を行った.
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