本研究成果により、細胞外セラミドが皮膚においてこれまで知られていない、受容体を介して細胞内に作用するしくみを解明した点に学術的意義が存在する。今後、CD300bを介した経路の解明により、皮膚細胞の細胞内シグナル伝達機構が保湿に及ぼす影響の解明が進むと考えられる。 また、一般的に長鎖セラミドは短鎖セラミドとは違い、低毒性であるので、長鎖セラミドによりカスパーゼ14を発現上昇させることができれば、化粧品としての利用を始め、皮膚保湿機構の破綻によって生じるアトピー性皮膚炎や乾癬などの皮膚疾患の治療剤へと応用展開できる。これが本研究成果の社会的な意義である。
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