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2020 年度 実施状況報告書

ラマン分光法を用いたALアミロイドーシスに対する迅速診断法の新規開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K08712
研究機関徳島大学

研究代表者

三木 浩和  徳島大学, 病院, 講師 (50511333)

研究分担者 南川 丈夫  徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 准教授 (10637193)
高成 広起  徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 特任講師 (70723253)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードアミロイドーシス / ラマン分光法
研究実績の概要

ALアミロイドーシスの診断は、生検からホルマリン固定、免疫染色、質量解析など最終診断までに長時間を要する。特に心アミロイドーシスは難治性であり、診断に時間を要することで生命予後にも影響を及ぼすため、迅速な新規診断法の確立が喫緊の課題である。本研究では、難治性かつ診断に時間を要する造血器疾患の代表としてALアミロイドーシスを挙げ、ラマン分光法を用いた迅速な新規診断法の開発を目的とする。ALおよびAAアミロイドーシスと診断されている患者の病理標本(パラフィン包埋)から薄層標本を作製し、ラマン分光法を用いて解析した。今回15名の既知のALアミロイドーシス患者(男性9名、女性6名、年齢中央値69歳)からラマン分光解析用の薄層切片を作成した。検討した15例のうち4例でCongo red陽性部位に一致して、特異的なラマンシフトのピークを認めた。ラマンシフトのピークは、1000-2000 cm-1に多く認めた、これらの一部はアミド基に由来すると考えられ、またラマンシフト1560cm-1、1660cm-1のピークに関しては、過去の検討からβシート構造に由来している可能性がある(ACS chemical Neuroscience 2018)。今回検出されたラマンシフトがALアミロイドーシスに特異的なものかどうか、個々のラマンピークの詳細について現在検討中である。またAAアミロイドーシスや透析アミロイドーシス症例などの検体を用いた研究も並行して行っており、ALアミロイドーシスとの比較検討を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ALアミロイドーシスは稀少疾患であるが、今回15例の集積が可能であり、またALアミロイドーシスに比較的特異的なラマンシフトを見出した。また並行してAAアミロイドーシス患者や透析アミロイドーシス患者の検体を用いた検討を行っており、ALアミロイドーシスとの比較検討も進んでいる。

今後の研究の推進方策

Congo red染色以外のアミロイド染色用色素であるダイレクトファーストスカーレットやチオフラビンTなどを用いて、前述の薄層標本を染色し、異なる試薬で染色した同一アミロイドーシス検体間の比較によりALアミロイド線維に特異的な変化をラマンスペクトル解析にて検討する。また臓器別の相違なども検討する、そしてCongo red染色による偏光とラマン分光を合体させたALアミロイドーシスの迅速病型確定診断の樹立を試み、将来的には生標本を用いた無染色組織イメージングを目指す。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19の影響で、学会が中止になり、旅費が減少した。また今回、ラマンスペクトル解析に用いる顕微鏡関連の部品の消耗が少なく、今年度使用額が減少した。これらは次年度に持ち越す予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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