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2022 年度 実施状況報告書

脂肪組織由来間葉系幹細胞-造血幹細胞における代謝経路解析:抗加齢作用に注目して

研究課題

研究課題/領域番号 20K08721
研究機関愛知医科大学

研究代表者

中山 享之  愛知医科大学, 医学部, 教授 (00456659)

研究分担者 都築 忍  愛知医科大学, 医学部, 教授 (00342965)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード血液凝固 / 脂肪組織由来間葉系幹細胞 / 造血支持能力
研究実績の概要

我々は、脂肪組織由来間葉系幹細胞(ADSC)が骨髄由来間葉系幹細胞(BMSC)よりも造血支持において優れていることを見出した。両者における遺伝子発現の差異を解析することによってどの遺伝子が造血に強く関与しているか同定するのは、容易と思われた。しかしながらこれまでの報告によれば、造血に直接作用するSCFやG-CSFといったサイトカインやVCAM-1等の接着因子の発現量は、ADSCとBMSCにおいて、ほぼ同等であった。そこで代謝経路に着目して解析を進めた。これまでの研究では、骨髄nicheと考えられている間葉系幹細胞(CAR細胞と名付けられている)においては転写因子Ebf3が豊富に発現されており骨芽細胞への分化を防ぐことにより造血支持能を維持することが報告されている。そこで、我々は、まずADSCとBMSCを脂肪細胞ならびに骨芽細胞誘導培地にて培養し分化の程度をvon Kossa染色とオイルレッドO染色にて評価した。BMSCは、脂肪細胞と骨芽細胞に分化したが、ADSCにおいては脂肪細胞への分化は認められたが、骨芽細胞にはほとんど分化しなかった。そこでADSC
におけるEbf3の発現をsemi quantitative PCRにて確認したところ豊富に発現していた。そこでADSCにおけるEbf3をshRNAにてノックダウンして機能の解析を試みた。しかしながら一過性トランスフェクションによるノックダウンはうまく機能しなかった。そこで、方針転換を行い組織修復を促進する血液凝固作用に関するADSCの作用について解析を行なっている。ADSCは、BMSCよりも強い血液凝固作用を有することを見出した。ヒト血漿-ADSC-造血幹細胞の混合培養系や、抗凝固剤を用いながらマウスへのADSC投与実験を行い、造血支持能力に対する作用を解析する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

中央臨床検査部に所属しているが、COVID19の蔓延により以下のような社会的要請があり、それに対応するため研究のエフォートが減少してしまったため。
1. COVID19 PCR検査体制確立等
2. 院内感染予防対策

今後の研究の推進方策

Ebf3のノックダウンはうまく機能しなかった。そこで、方針転換を行い組織修復を促進する血液凝固作用に関するADSCの作用について解析を行なっている。ADSCは、BMSCよりも強い血液凝固作用を有することを見出した。ヒト血漿-ADSC-造血幹細胞の混合培養系や、抗凝固剤を用いながらマウスへのADSC投与実験を行い、造血支持能力に対する作用を解析する予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ感染症対策のために研究に割くことができるエフォートが少なくなってしまった。COVID19感染は、鎮静化してきており本年度は予定通り実施できる予定である。コマーシャルレベルで使用出来る検査キットや外注検査依頼を利用して研究のスピードアップを図る

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公開日: 2023-12-25  

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