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2020 年度 実施状況報告書

Dis3欠損骨髄腫モデルマウスの確立

研究課題

研究課題/領域番号 20K08734
研究機関熊本大学

研究代表者

大口 裕人  熊本大学, 大学院先導機構, 准教授 (70451557)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード多発性骨髄腫 / モデルマウス / 遺伝子
研究実績の概要

本研究は、DIS3を含むヒト骨髄腫遺伝子学的異常に基づく骨髄腫モデルマウスを確立し、骨髄腫におけるDIS3変異の生物学的意義とその分子基盤を明らかにすることを目的とする。
その目標に向かって当該年度はDIS3欠損新規骨髄腫モデルマウスの確立のため以下の研究を行った。

遺伝子編集システムCRISPR/Cas9によりDis3遺伝子の第2イントロンおよび第4イントロンにloxP配列を挿入したDis3-floxマウスを作製した。まず、作製したDis3-floxマウスの細胞において、Creリコンビナーゼが働くとDis3遺伝子がノックアウトされることを確かめるため、Dis3 flox/floxマウスから樹立した初代培養肝細胞にCreリコンビナーゼを発現するアデノウイルス(Adeno-Cre)を感染させ、Dis3の発現を評価した。そして、設計通りにCre-loxPシステムによりDis3の発現が抑止されることを確認した。続いて、研究代表者の施設へのCgamma1-Creマウスの導入が完了したため、Dis3-floxマウスとの交配を行い、産仔を得た。胚中心B細胞以降のB細胞および形質細胞でDis3をノックアウトできる条件付きノックアウトマウスを作製するため、in vivoでのCreリコンビネーションを誘導するため、NP-CGG in alum腹腔内投与による異種免疫を行った。そして、in vivoでのCreリコンビネーションをゲノムシークエンスで確認した。現在、このDis3ノックアウトマウスで形質細胞のクローナルな増殖を認めるか、骨髄腫を発症するかの解析を進めているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Cgamma1-Cre;Dis3-floxマウスの産仔を得られ、in vivoでのCreリコンビネーションも確認でき、今後、解析へ進む基盤が出来つつある。

今後の研究の推進方策

今後、作製したCgamma1-Cre;Dis3-floxマウスでB細胞にどのような影響を認めるか、また、骨髄腫を発症するかを検証していく予定である。ただし、多発性骨髄腫の発症進展には1次的、そして2次的遺伝学的イベントのいずれもが必要である可能性があり、2次的なイベントであるDIS3欠損のみでは骨髄腫を発症しないことも想定される。そこで、DIS3変異と高頻度で共存する1次的変化であるc-MAF-IGH転座に注目し、これら2つの変化を有するマウスを作製し、このマウスでも骨髄腫を発症するかを検証していく計画である。

次年度使用額が生じた理由

次年度以降、消耗品の使用額が増加することが見込まれたため、今年度予定していた備品購入を控え、残額を次年度に移した。分子生物学用試薬や器具で使用する計画である。

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公開日: 2021-12-27  

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