CARD11に対する標的蛋白質分解誘導化合物(PROTAC)作製のため、CARD11と結合する物質の探索を目指した。まずCARD11の結晶構造を明らかにするために、創薬等先端技術支援基盤プラットフォーム(BINDS)の支援を受け、『CARD11を標的とした新規化合物同定を目指したX線結晶構造解析(課題番号【1006】)』の課題のもとCARD11(CARMA1)のX線結晶構造解析を進めた。CARD11全体の蛋白については結晶が得られらなかっため、C端末のSH3-GUKドメインの部分結晶構造化について、結晶化条件の検討を行った。さらにSH3ドメインのみの結晶化についても並行して行ってきた。昆虫細胞にHis-tag-CARD11発現ウイルスを使ってトランスダクション3日間培養、バッファーの至適pHを確認し超音波で細胞破砕を行った。Ni-NTA樹脂にHisタグタンパクを結合、目的タンパクを抽出し、酵素を使用し目的タンパク質からHisタグを除去後ゲル濾過クロマトグラフィーにより精製した。キャピラリー電気泳動で確認しイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。しかし単一のピークがえられず、またイオン交換クロマトグラフィー後検体を用いたキャピラリー電気泳動でも複数のバンドを認めた。純粋な単一サンプルではないと考えられ、N末端アミノ酸配列を解析した。SH3-GUKドメインのSH3とGUKの間にあるRALRNTLアミノ酸配列のR↓ALRNTL部分で切断していることが判明した。ホモロジー検索を行ったところ、その切断点は各種哺乳類で保存されていた。その切断点に変異を挿入し結晶化条件の検討を行っている。
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