真菌感染症の予防または治療を行う上で、移植片対宿主病(GVHD)や免疫再構築に影響しうる腸内真菌叢の変容を抑制するための、適切な抗真菌剤の使用方法の確立に向けた非常に特色のある研究である。また、GVHD治療において有望とされている糞便微生物移植においても、適切な真菌叢を明らかにすることに繋がるものと期待される。本研究の成果は、ダイナミックな腸内真菌叢の変動と免疫細胞のクロストークを理解するうえで、ヒト免疫学の観点からも重要な知見を得られることが期待され、免疫異常に起因する多くの疾患に対し、腸内真菌叢の変容が与える影響の解明にも応用可能であり、その足がかりになることが期待できる。
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