研究課題
我々は、新規経口脱メチル化剤OR-2100 が成人T細胞白血病 (Blood 2020) および骨髄異形成症候群/急性骨髄性白血病 (Mol Cancer Ther 2021)、またその耐性機序にデオキシシチジンの発現低下が関与することを報告した (Int J Cancer 2022。そして OR-2100が、既存のABLチロシンキナーゼ阻害剤 (TKI) が無効なため、TKI中止後の再発原因となる慢性骨髄性白血病 (CML) 幹細胞にも有効なことを発見した (Cancer Lett 2022)。最終年度は、OR-2100とBCL-2阻害剤 (Cancer Res Commun 2023)、あるいはHDAC阻害剤 (Blood Adv 2023)の併用が各種白血病細胞に有効であることを報告した。これらの成果を基盤に、2022年8月から OR-2100の臨床第I相試験を開始した。また臨床では、CMLにおいて1次使用された第2世代TKIダサチニブを中止した場合、55%の患者で無治療寛解 (TFR) が維持できること (Lancet Haematol 2020)、さらに1回目の中止が成功しなかった患者における2回目以降の TKI 中止に関する報告も行った (Hematol Oncol 2021)。また70歳以上では、標準量の1/5量のダサチニブで開始し、治療効果に応じ漸増することにより、有効性は保ちつつ、有害事象を減らすことができることを明らかとした (Lancet Haematol 2021)。最終年度は、TKI治療中に好中球数の多い方がTKI中止後のTFR維持に有利であることを奉公した (Hematology 2022) 。また3つのTKI中止試験の患者の NKおよびHLAの遺伝子多型を再検討し、これらの組み合わせのTFR維持への重要性を解析した (論文投稿中)。
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