研究課題/領域番号 |
20K08770
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 元久 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (80404599)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 機械学習 |
研究実績の概要 |
令和2年度は、対照となる非IgG4関連疾患の患者からの検体の収集が、コロナ禍で遅れており、次世代シーケンサーによるSNP解析、RNA-seq解析、エクソソーム解析を保留とし、先に令和3年度以降に行う予定であった機械学習のアルゴリズムの開発を実施した。決定木CART法、ランダムフォレスト法を用いたアルゴリズムの開発は順調に進展しており、試験的に行った臨床データを使用したIgG4関連疾患の診断(対象をリウマチ新患外来と鑑別が必要な疾患群におき、IgG4関連疾患を抽出)におけるこれらのアルゴリズムの精度の検証を行った。その結果、リウマチ新患外来の中からIgG4関連疾患を診断する場合、決定木CART法によるアルゴリズムの精度は0.951、感度0.914、特異度0.986、ROC曲線を描いた際のAUCは0.948であった。ランダムフォレスト法によるアルゴリズムの精度は0.937、感度0.914、特異度0.958、ROC曲線のAUCは0,991と良好であった。また臨床的に鑑別が必要な疾患群の中からのIgG4関連疾患の診断に関しては、CART法では精度が0.928、感度0.929、特異度0.923、ROC曲線のAUCは0.908であった。一方、ランダムフォレスト法によるアルゴリズムの精度は0.928、感度は1.000、特異度は0.538、AUCは0.962であった。この結果は、実際の臨床に応用できる可能性が示唆された。そして本来の計画における各種解析データを使用した機械学習が可能であることが裏付けられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響により、非IgG4関連疾患の症例(対照群)のサンプル収集が遅れている。しかし次年度に予定していた研究計画を前倒しして、進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、昨年実施が遅れている計画内容(非対照群のサンプル収集と、各種解析)を迅速に進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度に実施予定であった、各種解析がサンプル収集の遅れから実施できなかったため、これらを次年度に繰り越してしようする予定である。
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