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2020 年度 実施状況報告書

HTLV-1陽性関節リウマチの炎症病態におけるIFNシグネチャーの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K08776
研究機関宮崎大学

研究代表者

梅北 邦彦  宮崎大学, 医学部, 准教授 (20506084)

研究分担者 佐藤 賢文  熊本大学, ヒトレトロウイルス学共同研究センター, 教授 (70402807)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1) / 関節リウマチ
研究実績の概要

HTLV-1陽性関節リウマチレジストリ研究のデータベースおよび生体試料を利用し,HTLV-1陽性関節リウマチにおけるIFNシグネチャーについて解析を進めた.データベースに登録されたHTLV-1陽性関節リウマチ患者23例のT-SPOTアッセイの結果を利用し,IFNγ自律産生末梢血単核球(PBMCs)が存在するHTLV-1陽性関節リウマチ患者12例を同定した.この12例と,IFNγ自律産生PBMCsが存在しないHTLV-1陽性関節リウマチ11例のHTLV-1プロウイルス量を比較したところ,IFNγ自律産生PBMCsが存在するHTLV-1陽性関節リウマチ患者では,HTLV-1プロウイルス量が多い傾向であった.更に,デジタルPCRによるHTLV-1プロウイルスの完全長型,欠損型の割合を解析した.その結果,IFNγ自律産生PBMCsが存在するHTLV-1陽性関節リウマチ患者のPBMCsでは,HTLV-1感染細胞クローンにおける完全長プロウイルスの割合が多い傾向が認められた.完全長プロウイルスが組み込まれたHTLV-1感染T細胞では,HTLV-1関連タンパク質のTaxの発現が保存されている可能性があり,HTLV-1陽性関節リウマチの炎症病態を考察する上で,このTaxを発現するHTLV-1感染T細胞の割合が多い場合,IFNの産生をTaxが誘導し,関節リウマチの病態に影響を与える可能性が考えられた.HTLV-1陽性関節リウマチと陰性関節リウマチの臨床的特徴について比較検討を行ったところ,HTLV-1陽性関節リウマチは身体機能障害,疼痛に関する指標がHTLV-1陰性関節リウマチより悪い可能性が示唆された.この臨床的特徴がIFNシグネチャーと関連するか否かについて解析を進めている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

HTLV-1陽性関節リウマチレジストリのデータベースから,IFN自律産生PBMCsが存在するHTLV-1陽性関節リウマチ患者を同定した.また,保管された生体試料を利用し,デジタルPCR法を利用したプロウイルスに関するウイルス学的情報が取得でき,炎症とHTLV-1プロウイルスの特徴を考察しうる結果を得た.

今後の研究の推進方策

HTLV-1陽性関節リウマチレジストリ研究に登録されている対象患者について,本年度と同様にIFN自律産生PBMCsの有無による層別化を進め,デジタルPCRによるHTLV-1プロウイルスの完全長プロウイルスの割合,組み込み部位について症例数を増やし検討を進める.
さらに,IFN自律産生PBMCsの有無によってHTLV-1陽性関節リウマチを2群へ分類し,血漿中の炎症性サイトカインの網羅的解析を予定している.
HTLV-1プロウイルスの組み込み部位のパターンが,炎症性サイトカインの遺伝子発現や血漿サイトカインプロファイルにどのような関連があるか検討を行う.
さらに,HTLV-1陽性関節リウマチにおける身体機能障害,疼痛に関する指標がHTLV-1陰性関節リウマチより悪化しやすい臨床的特徴を見出したため,疼痛とIFNシグネチャーとの関連ついて解析を進める.

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公開日: 2021-12-27  

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