研究課題/領域番号 |
20K08782
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研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
秋山 晴代 帝京平成大学, 薬学部, 准教授 (50420229)
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研究分担者 |
栗坂 知里 帝京平成大学, 薬学部, 助教 (00846785)
中村 亮介 国立医薬品食品衛生研究所, 医薬安全科学部, 室長 (50333357)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | EXiLE法 / 架橋 / FcεRI / セルフリー |
研究実績の概要 |
アレルギー試験法EXiLE法は、ヒトの高親和性IgE受容体(FcεRI)を発現させた培養マスト細胞株を、アレルギー患者血清(IgE)で感作し、抗原添加による細胞の活性化をルシフェラーゼアッセイにより検出する手法で、高感度にIgEの「架橋活性」を評価できる画期的な試験法である。しかし一方で、本法では一部の血清や抗原が細胞障害性を示し正確な測定が出来ない問題に直面している。そこで本研究では、EXiLE法の特徴を活かし、「架橋」を指標とした新しい「セルフリー型」アレルギー試験法の開発を主目的とする。具体的には、ルシフェラーゼ相補性システムを利用して各種発光タグ融合FcεRI α鎖を作製し、セルフリー条件下IgEと抗原結合により導かれるFcεRIの架橋を評価する新しいアレルギー試験系を開発する。 昨年度は、T7プロモーターを有しているHaloTag(HT)用ベクターのN末端側とC末端側にFcεRI α-レポーター(NanoBit)配列(4通り)を挿入した遺伝子を作製し、大腸菌抽出液を利用した無細胞系によるタンパク精製を行った。本年度は、収量および純度の高いリコンビナントタンパク質の精製を目指し、検討をおこなった。無細胞系によるタンパク質合成における誘導時間、温度、振とう速度等の条件検討を実施したところ、収量に変化は見られなかった。次に、PEIを用いてHEK293T細胞へのトランスフェクションを行った。しかし目的タンパク質を大量に発現させるまでには至らなかった。セルフリー条件下IgEと抗原結合によるFcεRIの架橋を評価するためには大量のリコンビナントタンパク質が必須であるため、今後、動物細胞によるタンパク質精製に適したベクターを用いた新たな遺伝子の作製や大腸菌を用いたタンパク精製を試みる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度に続き新型コロナウイルス感染症の影響により消耗品が入手困難であったこと、さらにコロナ禍の対応により研究時間が大幅に減少したことにより、当初の予定どおりに検討が進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
セルフリー条件下IgEと抗原結合によるFcεRIの架橋を評価するためには大量のリコンビナントタンパク質が必須であるため、今後、動物細胞によるタンパク質精製に適したベクターを用いた新たな遺伝子の作製を実施し、大腸菌を用いたタンパク精製を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度に続き新型コロナウイルス感染症の影響により消耗品が入手困難であったこと、さらにコロナ禍の対応により研究時間が大幅に減少したことにより、当初の予定どおりに検討が進まなかった。 今後、大腸菌を用いたタンパク精製を試みる際の試薬代とする。
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