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2020 年度 実施状況報告書

濾胞性制御性T細胞分化誘導による新規SLE治療法確立のための基礎的検討

研究課題

研究課題/領域番号 20K08797
研究機関千葉大学

研究代表者

鈴木 浩太郎  千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (90554634)

研究分担者 須藤 明  千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (50447306)
岩本 太郎  千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (80835083)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード濾胞性制御性T細胞 / 全身性エリテマトーデス
研究実績の概要

近年、2次リンパ組織の濾胞内胚中心で濾胞性T細胞(Tfh細胞)を抑制する細胞として濾胞性制御性T細胞(Tfr細胞)が同定された。Tfr細胞はC XCR5、PD-1などTfh細胞と共通の表面抗原を複数発現し、その分化にBcl6が必須である点もTfh細胞と共通しているが、Tfh細胞分化に重要な働 きを持つAscl2がTfr細胞の分化や機能発現に関与しているか否かは不明であった。そこで本申請研究では、Tfr細胞に発現するAscl2の機能とimiquimod 誘導性ループスにおける役割を解析するとともに、SLE患者におけるTfr細胞内Ascl2の発現とSLE病態の臨床指標との相関を解析 し、Ascl2を標的としたTfr細胞/Tfh細胞バランスの制御による新規SLE治療法開発のための基盤を確立することを目的としている。
これまでのところ申請者は、 imiquimod 誘導性ループスにおいて、1)Tfr細胞がAscl2、Bcl6、CXCR5、FOXP3を高発現していること、2)制御性T細胞はAscl2、Bcl6、CXCR5していないことを確認した。これまでの報告では、Tfr細胞は制御性T細胞から分化してくることが知られているため、申請者の得た結果より、Ascl2は制御性T細胞からTfr細胞に分化する際に発現してくることが明らかとなった。現在、Tfr細胞分化におけるAscl2の役割を明らかにするため、FOXP3プロモーターの下流でCre recombinaseが発現するFOXP3-CreマウスとAscl2-floxedマウスを交配し、Tfr細胞特異的Ascl2欠損マウスを作成しているが、マウスの作成は順調に進んでいる。 マウス作成後は、Tfr細胞特異的Ascl2欠損マウスに imiquimod 誘導性ループスを惹起し、Tfr細胞分化を解析する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度申請者は、 imiquimod 誘導性ループスにおいて、1)Tfr細胞がAscl2、Bcl6、CXCR5、FOXP3を高発現していること、2)制御性T細胞はAscl2、Bcl6、CXCR5していないことを確認している。これまでの報告では、Tfr細胞は制御性T細胞から分化してくることが知られているため、申請者の得た結果より、Ascl2は制御性T細胞からTfr細胞に分化する際に発現してくることが明らかとなった。現在、Tfr細胞分化におけるAscl2の役割を明らかにするため、FOXP3プロモーターの下流でCre recombinaseが発現するFOXP3-CreマウスとAscl2-floxedマウスを交配し、Tfr細胞特異的Ascl2欠損マウスを作成しているが、マウスの作成は順調に進んでいる。 マウス作成後は、Tfr細胞特異的Ascl2欠損マウスに imiquimod 誘導性ループスを惹起し、Tfr細胞分化を解析する。また、本マウスにおけるループス様病変として抗核抗体や抗ds-DNA抗体、抗RNP抗体、抗Sm抗体の抗体価を測定する。以上より、Tfr細胞内Ascl2の全身性エリテマトーデス病態形成における役割が明らかになる。

今後の研究の推進方策

本年度申請者は、 imiquimod 誘導性ループスにおいて、1)Tfr細胞がAscl2、Bcl6、CXCR5、FOXP3を高発現していること、2)制御性T細胞はAscl2、Bcl6、CXCR5していないことを確認している。現在、Tfr細胞分化におけるAscl2の役割を明らかにするため、FOXP3プロモーターの下流でCre recombinaseが発現するFOXP3-CreマウスとAscl2-floxedマウスを交配し、Tfr細胞特異的Ascl2欠損マウスを作成しており、 マウス作成後は、Tfr細胞特異的Ascl2欠損マウスに imiquimod 誘導性ループスを惹起し、Tfr細胞分化を解析する。また、本マウスにおけるループス様病変として抗核抗体や抗ds-DNA抗体、抗RNP抗体、抗Sm抗体の抗体価、並びに糸球体腎炎の発症を病理学的に解析する。糸球体病理像についてはPAS染色のみならず、IgGやC3の沈着を免疫染色を用いて解析する。また、腎機能については血中のクレアチニン測定により評価する。以上より、Tfr細胞内Ascl2の全身性エリテマトーデス病態形成における役割が明らかになる。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症流行による緊急事態宣言の発令の影響により、一部実験計画を延期せざるえなかったため次年度繰越金が発生した。延期された実験計画については2021年度に施行予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Experience of musculoskeletal ultrasound scanning improves physicians' physical examination skills in assessment of synovitis.2020

    • 著者名/発表者名
      Saku A, Furuta S, Kato M, Furuya H, Suzuki K, Fukuta M, Suehiro K, Makita S, Tamachi T, Ikeda K, Takatori H, Maezawa Y, Suto A, Suzuki K, Hirose K, Nakajima H.
    • 雑誌名

      Clin Rheumatol.

      巻: 39 ページ: 1091-1099

    • DOI

      10.1007/s10067-020-04960-5.

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] RNA-Binding Protein ZFP36L2 Downregulates Helios Expression and Suppresses the Function of Regulatory T Cells.2020

    • 著者名/発表者名
      Makita S, Takatori H, Iwata A, Tanaka S, Furuta S, Ikeda K, Suto A, Suzuki K, Ramos SBV, Nakajima H.
    • 雑誌名

      Front Immunol.

      巻: 11 ページ: 1291-1300

    • DOI

      10.3389/fimmu.2020.01291.

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2021-12-27  

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