研究課題/領域番号 |
20K08813
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
唐澤 里江 聖マリアンナ医科大学, 医学研究科, 准教授 (50434410)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 / 抗血管内皮細胞抗体 / プロテオミクス |
研究実績の概要 |
血管炎患者血清を用いてプロテオミクスで同定された抗血管内皮細胞抗体(AECA)の対応抗原の1つであるzyxin蛋白に対する自己抗体をELISAにて評価した。抗原としてGST融合タンパク質 (GST-zyxin)とzyxinタンパク質を用いた。血清中の自己抗体は、結節性多発動脈炎患者からの21検体、顕微鏡的多発血管炎患者もしくは多発血管炎性肉芽腫症患者からの21検体、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症患者からの11検体および健常人からの15検体で測定された。GST融合タンパク質を用いて検出された抗zyxin抗体は、結節性多発動脈炎患者の14%、顕微鏡的多発血管炎もしくは多発血管炎性肉芽腫症患者の14%および好酸球性多発血管炎性肉芽腫症患者の9%で検出されたが、健常人では検出されなかった。Zyxinタンパク質を用いて検出された抗zyxin抗体は、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症患者の9%で検出されたが、結節性多発動脈炎患者、顕微鏡的多発血管炎もしくは多発血管炎性肉芽腫症患者および健常人では検出されなかった。以上の結果より、検体数を増やして臨床症状との関連性も含め評価するとともに、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症疾患で検出されるAECAの他の対応抗原についても同様に評価する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2次元電気泳動で使用する好酸球性多発血管炎性肉芽腫症患者の血清検体が不足していたことに加え、組み換え蛋白の納期が大幅に遅れた。その結果、当初の計画より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症患者の血清検体を準備して早急に2次元電気泳動を施行するとともに、血管炎患者血清を用いてプロテオミクスで同定された抗血管内皮細胞抗体の他の対応抗原に関しても本年度同様に評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度予定していたプロテオミクス解析が行えなかったため、次年度に施行する予定である。その結果同定された抗血管内皮細胞抗体の対応抗原候補蛋白に対する自己抗体をELISAにて評価し、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症に有用な疾患特異的バイオマーカーを同定する。
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