研究課題/領域番号 |
20K08813
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
唐澤 里江 聖マリアンナ医科大学, 医学研究科, 准教授 (50434410)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 抗血管内皮細胞抗体 / 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 / 喘息患者由来ヒト肺微小血管内皮細胞 / プロテオーム解析 |
研究実績の概要 |
抗血管内皮細胞抗体(AECA)の対応抗原であるheat shock cognate 71 kDa protein (HC70)およびtropomyosin alpha-4 chain (TPM4) に対する自己抗体を検出するためにELISAをおこなった。血清中の自己抗体は、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)の日本人患者10人および日本人健常者7人で測定された。HSC70に対する自己抗体は、EGPAの30%で検出され、健常人では検出されなかった。一方、TPM4に対する自己抗体はEGPAの10%で検出され、健常人では検出されなかった。さらに、EGPAで抗HSC70抗体もしくは抗TPM4抗体が検出された患者では、全症例でANCAが陰性であった。喘息患者由来ヒト肺微小血管内皮細胞(HLMVEC-AS)からの抽出蛋白とEGPAの日本人患者血清を用いたウエスタンブロッティング(WB)では、ANCA陽性患者に比べ陰性患者で多数のAECAが検出された。特に、約40、50、100および150kDaのタンパク質に対する自己抗体が測定した全5症例のANCA陰性EGPAで検出され、ANCA陽性EGPAでは検出されなかった。現在、プロテオーム解析を行いANCA陰性EGPAもしくはEGPAに特異的なAECAの対応抗原候補蛋白を検出・同定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
血液検体の準備および物品の納期に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
同定された個々の対応抗原に対する自己抗体が、EGPAもしくはANCA陰性EGPAに特異的であるか否かをELISAにて評価する。さらにそれらの自己抗体がEGPAの疾患活動性やフェノタイプと関連するか否かについても検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品の納期に時間を要し、研究に遅れが生じたため。組み換え蛋白、試薬およびELISAキット等の購入に使用する予定である。
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