本研究課題は、C型慢性肝炎に対して抗ウイルス(DAA)治療によりC型肝炎ウイルス(HCV)排除を達成した症例を対象とし、長期予後に関して脂肪性肝炎との関連を解析したものである。HCV排除が達成された症例に対して、脂肪性肝炎に関連したPNPLA3遺伝子を測定したところ、遺伝的背景がHCV排除後の予後に強く関連した。さらに、治療開始時の肝予備能が非代償性肝硬変に進展するリスクと関連していることが判明した。 HCV排除後の肝線維化進展および肝発癌に関しては、特に肝予備能が良好な症例において、脂肪性肝炎の存在が大きく関連し、それは関連遺伝子からも予測可能であった。
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