肺炎球菌血清型35Bにおけるtype 1 pilus (T1P)の定着における機能と薬剤耐性化への寄与の解析および予防・治療への応用を目的として研究を行った。臨床分離35BのうちT1P遺伝子を持つSequence type (ST)558の株を用いて、遺伝子相同組み換えによりT1P欠損株を作製し、ヒト肺胞上皮細胞への付着性や薬剤感受性を親株と比較した。(1) 細胞付着性: 株により程度差があるが、T1Pの宿主細胞付着への関与が示唆された。(2)薬剤感受性に与える影響: 親株および欠損株で明らかな差異を認めず、T1Pは薬剤耐性機序への直接的な関与はないと考えられた。
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