研究課題/領域番号 |
20K08834
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
梅山 隆 国立感染症研究所, 真菌部, 室長 (20360696)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 薬剤耐性 / 多剤耐性 / 呼吸器真菌症 / 糸状菌症 / ゲノム編集 |
研究実績の概要 |
深在性真菌症の中でも侵襲性肺アスペルギルス症とムーコル症を含む糸状菌感染症は、最も有効とされている治療薬を用いても致命率が50%を超える。さらに、薬剤耐性による難治化が臨床上大きな問題となっているだけでなく、環境中にも耐性株が拡散して世界規模の課題になっているが、薬剤耐性機構の詳細は未だ明らかになっていない。 本研究は、1)ゲノム編集技術を用いた多剤耐性病原糸状菌のアゾール耐性機構の検証、2)ゲノム編集技術を用いた変異株ライブラリ作製とスクリーニングによるアムホテリシンB耐性に関係する遺伝子探索、により多剤耐性糸状菌の薬剤耐性メカニズムを解明し、早期耐性検出法と新しい治療法の開発に貢献する。 令和2年度では、A. fumigatusにおいてCRISPR/Cas9技術を利用して変異株をスクリーニングするためのライブラリを作製した。A. fumigatusゲノム配列情報から19bp認識配列を約1万種類抽出して相当するオリゴDNAを合成し、ゲノム編集用プラスミドにクローニングしたライブラリを大腸菌で作製した。設計した配列がクローニングされていることをナノポアシークエンサーMinIONを用いたアンプリコン解析により、99.7%の配列をカバーできていることを確認した。また、カニングハメラ属にCRISPR/Cas9ゲノム編集技術を導入する基盤として、Cunninghamella bertholletiae臨床分離株11株、Rhizopus oryzae1株、Rhizopus microsporus 1株の全ゲノム解析をナノポアシークエンサーMinIONを用いて行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
A. fumigatusのCRISPRライブラリの構築が完了し、設計したとおりに近い種類の配列をカバーできていたので、初年度計画として順調に進んでいる。また、ナノポアシークエンサーMinIONによるゲノム解析を導入に成功したので、次年度の研究を進めるための準備が整ってきている。
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今後の研究の推進方策 |
今後、構築したA. fumigatusのCRISPRライブラリをA. fumigatusの薬剤耐性株に形質転換し、薬剤耐性に関わる遺伝子スクリーニングを行う。カニングハメラの臨床分離株の全ゲノム解析が完了したので、ロメントスポラについて全ゲノム解析を進め、CRISPR/Cas9ゲノム編集技術の導入を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末納品等にかかる支払いが、令和3年4月1日以降となったため。 当該支出分については次年度の実支出額に計上予定であるが、令和2年度分についてはほぼ使用済みである。
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