本研究は深在性真菌症、特に薬剤耐性糸状菌感染症の分子メカニズム解明に貢献した。CRISPR/Cas9技術を用いた遺伝子機能解析により、アゾール耐性機構の一端を明らかにし、早期耐性検出法や新規治療法開発の基盤を構築した。また、多様な真菌種に応用可能なゲノム編集技術を確立し、真菌学研究の発展に寄与した。これらの成果は、致死率の高い深在性真菌症の診断・治療改善につながり、患者の予後向上に貢献する可能性がある。環境中の耐性株問題にも示唆を与え、ワンヘルスアプローチによる対策に重要な知見をもたらした。本研究で確立された技術は、他の病原真菌研究にも応用可能で、幅広い真菌感染症対策への波及効果が期待される。
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