研究課題/領域番号 |
20K08843
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
柳原 克紀 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (40315239)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ESBL産生細菌 / ST131 / 接合伝達実験 |
研究実績の概要 |
臨床分離されたESBL産生細菌(大腸菌ならびに肺炎桿菌)を用いた。 長崎大学病院で分離された大腸菌のうち、ST131が最も優勢であり、既報と同様であった。 臨床背景としてST131患者群は低BMI患者、膀胱留置カテーテルを留置中の患者が有意に多かった。ST131はESBL遺伝子としてすべてがCTX-M-9を保有していた。ST131は染色体上のキノロン耐性遺伝子変異を多く保有していた。 マウスの腸内環境を抗菌薬(バンコマイシン、ゲンタマイシン、コリスチン等)で前処理することで細菌叢が攪乱した“dysbiosis”(腸内細菌叢を構成する細菌種や細菌数が減少することにより、細菌叢の多様性が低下した状態)を誘導し、臨床分離ESBL産生菌を定着させた。定着率の実験ではST131の方がマウス腸内から早く排除され、優れた腸内定着率を持つという結果は得られなかった。ST131、non-ST131ともにコロニー検出以下となった後でもVCM投与により速やかに菌量の増加が見られた。接合伝達実験ではST131はK. pneumoniaeからESBLを獲得しやすいという結果であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナの対応により、研究時間が確保できていないため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度実施できなかった構成細菌種の特定や菌種組成の解析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナの影響により、研究が遅れており物品費の支出が少なく、次年度使用が生じた。繰越額は、動物実験のための費用に充てる予定である。
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