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2021 年度 実施状況報告書

インフルエンザウイルス感染に伴う細菌二次感染易感染性の分子基盤解析と予防法確立

研究課題

研究課題/領域番号 20K08846
研究機関昭和大学

研究代表者

石川 裕樹  昭和大学, 医学部, 准教授 (60433918)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードインフルエンザウイルス感染 / 細菌二次感染 / 抗インフルエンザウイルス薬
研究実績の概要

我々はこれまでに、インフルエンザウイルス感染に伴う肺への細菌二次感染の易感染性について検討をおこなってきた。その結果、インフルエンザウイルス感染後の細菌易感染性は宿主細菌排除能低下、すなわち肺中の好中球殺菌能の低下に起因することを明らかにした。またその原因の一つとしてインフルエンザウイルス感染による肺中のG-CSF産生低下が確認され、外部よりG-CSFを補完することにより好中球機能が部分的に回復し、このG-CSF低下が好中球機能低下に一部関与することが示唆された。
当初は、臨床的観点からインフルエンザウイルス感染に伴う細菌二次感染易感染性予防について、マウスモデルを用い、抗インフルエンザウイルス薬やワクチンによるウイルス排除の促進が細菌易感染性を防げるか検討をおこなう予定であった。しかしながら2020年度、2021年度とコロナウイルス感染拡大の影響を受け、当大学動物施設でのマウスの購入および繁殖に制限がかかり動物実験の遂行が困難となってしまった。
そこで本研究は、動物実験から肺胞基底上皮細胞株であるA549細胞を用いたin vitro系にてインフルエンザウイルス感染とそれに伴う細菌二次感染易感染性のメカニズムの解明およびその予防法について検討をおこなった。予備的検討の結果であるが、A549細胞にインフルエンザウイルスを感染させ6時間後に感染細胞の接着分子の発現をmRNAレベルで解析をおこなった結果、接着分子の一つであるCEACAM-1の発現が約10倍強まることが確認された(ICAM-1, VCAM-1などは変化なし)。また細胞間のtight junction分子ではウイルス感染に伴うmRNA発現の変化はなかった。今後は再現性を確認するとともにCEACAM-1と細菌易感染性、その予防法について検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の予定では、予備検討で得た「抗インフルエンザウイルス薬投与によるインフルエンザウイルスの早期排除亢進は細菌二次感染予防に有効である」という結果の再現性を確認するとともにそのメカニズムについてより詳細な解析をおこなう予定であったが、コロナウイルス感染拡大により当大学における実験動物購入に制限がかかったため、実験動物での再現性確認は遅れている。その一方で、A549細胞を用いたin vitro系でのインフルエンザウイルス感染に伴う細菌二次感染易感染性のメカニズム解明とその予防法については、新規知見も示唆されており、今後再現性を確認し、研究を展開させる予定である。

今後の研究の推進方策

A549細胞を用いたin vitro系の実験を主に進めていく。すなわちインフルエンザウイルス感染による接着分子の発現増強の再現性の確認、および細菌二次感染易感染性における接着分子の意義を検討する。また、その予防法として抗インフルエンザウイルス薬による迅速なウイルス排除に意味があるか検討する。
その一方で、予備検討で得た「抗インフルエンザウイルス薬投与によるインフルエンザウイルスの早期排除亢進は細菌二次感染予防に有効である」という結果の再現性を確認する。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由として使用用途としての金額不足であった。来年度、物品費に加算して使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 溶血性を示すRodentibacter sp.の病原性解析2022

    • 著者名/発表者名
      佐々木啓、上芝秀博、柳澤直子、石川裕樹、池郁生
    • 学会等名
      日本細菌学会総会
  • [学会発表] マウスノロウイルス感染においてNKT細胞は腸管内に特異的なIgA抗体を誘導することでウイルス排除に寄与する2021

    • 著者名/発表者名
      石川裕樹、佐々木啓、幸田力、久野芳裕、長島隆一、田中和生、伊與田雅之
    • 学会等名
      日本ウイルス学会学術集会
  • [学会発表] サイトメガロウイルス再活性化に及ぼすエストロゲンの影響2021

    • 著者名/発表者名
      幸田力、石川裕樹、久野芳裕、長島隆一、田中和生、伊與田雅之
    • 学会等名
      日本ウイルス学会学術集会

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公開日: 2022-12-28  

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