研究課題
膵β細胞特異的Tsc2欠損マウスの解析により、40週齢以降では膵島内にアミラーゼを発現することが明らかとなった。当初は外分泌組織が外部より浸潤してきたものである可能性が疑われたが、外分泌組織特異的な転写因子Ptf1aがクロモグラニンAと共発現していることから、膵島の脱分化により外分泌組織に分化転換している可能性が考えられた。膵島のRNA-seqの結果でも、Pdx1やMafAの発現低下を認めており、膵β細胞の成熟性が失われていることが明らかとなった。さらに確証をえるべく、Rosa26-YFPマウスと膵β細胞特異的Tsc2欠損マウスを交配し、Lineage tracingを行った。膵β細胞由来の細胞ではYFPが発現するようにしたところ、YFPとPtf1aが共発現することが確認された。これらの結果より、mTORC1が活性化された膵島では、外分泌組織への分化転換が起こっていると考えられた。mTORC1活性亢進によるものと考えられたため、マウスにラパマイシンを投与したところ、膵島におけるPtf1a発現は抑制された。また糖尿病モデルでもあるdb/dbマウスの膵島においてもPtf1aが発現していることが明らかとなった。
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