研究課題
PIP2によるKATPチャネル開口作用を調べるにあたって、直接投与の場合チャネル活性が開口に傾くことはすでに報告されていることから間接的に細胞膜上のPIP2の制御を行う方法としてGqタイプのGPCRの刺激を検討した。この場合、Gq型GPCRの刺激を行う物質としてオキシトシンを作用した。穿孔パッチクランプで検討した結果、効果としては限定的で、チャネル活性の開口傾向は認めるが有意差は認めなかった。またKATPチャネルのrundownにPIP2の減少が関連していることが指摘されていることから、KATPチャネルを構成するチャネルポアサブユニットであるKir6.2の変異型の中で特にrundownの強いR50P変異型を用いてinsde-outパッチにてそのrundowを計測した。inside-out後にR50P変異型Kir6.2チャネルは野生型に比べて大きなrun-downを認めたが、PIP2の補充を行うとrun-downの鈍化がみられ、少なくとも変異型チャネルにおいてはPIP2のチャネル開閉制御機能が反映されることが考えられた。今回Kir6.2のC末端を短縮しKir6.2単独でのチャネルとしてのPIP2作用を検討したことから今後、SUR1の存在下での検討を継続してく予定である。以上を考慮に入れると通常の2型糖尿病よりも新生児糖尿病などKATPチャネルの変異による新生児糖尿病などの疾患においてPIP2は治療標的としての可能性があることが示唆された。
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