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2023 年度 実施状況報告書

標的プロテオミクスと質量分析法による塩誘導キナーゼとステロイド産生組織の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 20K08867
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

秦野 修  奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (40164850)

研究分担者 竹田 浩之  愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 准教授 (40609393)
竹森 洋  岐阜大学, 工学部, 教授 (90273672)
大西 健  茨城県立医療大学, 保健医療学部, 名誉教授 (50152195) [辞退]
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード塩誘導キナーゼ / 質量分析 / プロテオミクス / ステロイドホルモン / 近接依存性ビオチン化酵素 / BioID
研究実績の概要

塩誘導キナーゼ(SIK1,2,3)はAMPKファミリーに属し、SIK1,2,3 の各欠損/変異マウスはステロイドホルモン産生酵素の発現異常、生殖異常、代謝異常、軟骨形成異常、睡眠異常、虚血性疾患などの多彩な異常を呈する。これら多様な表現型異常に関与する SIK1,2,3 の機能発現機構を明らかにする目的で、SIK1,2,3 に結合するタンパク質について、愛媛大学プロテオサイエンスセンターが構築した約8,300種のヒトタンパク質アレイ(DNA結合タンパク質群やプロテインキナーゼ群などを機能種別にほぼ網羅的に含む)から AlphaScreen 法を用いて、SIK1,2,3 各種の全長タンパク質との結合実験を行ない、SIK1,2,3 各種に強く結合するヒトタンパク質を、各々約20種同定した。これらの AlphaScreen 結合実験は、in vitro で合成されたタンパク質同士の結合スクリーニングであるが、今年度は、より生体(in vivo)に近い培養細胞中での SIK1の相互作用タンパク質を同定するために、最近、開発された近接依存性ビオチン化酵素(AirID)を用いて、培養細胞内におけるSIK1の結合/相互作用タンパク質の同定(BioID法)を行っている。本研究では、SIK1-3のうち最初にステロイド産生に関与する分子として単離された SIK1 について、AirID との融合cDNA (AirID-SIK1と逆順のSIK1-AirID)を作成後、ヒトHEK293A細胞に導入し、近接位に存在してビオチン化されるタンパク質の網羅的同定をLC-MS/MS法で行なったところ、AirID 単独導入に比べて、AirID-SIK1 融合タンパク質導入時において強くビオチン化されるタンパク質として、AirID-SIK1/AirID のビオチン化量比が50以上のタンパク質が、17個同定された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ヒト塩誘導キナーゼ(SIKs)の全長タンパク質と、ヒトタンパク質(転写因子群やプロテインキナーゼ群等をほぼ網羅的に含む)との in vitro での結合スクリーニング実験を行い、又、生体(in vivo)により近い培養細胞条件下においてSIKsと相互作用するタンパク質を同定するために、ヒトSIK1の全長タンパク質に近接依存性ビオチン化酵素(AirID)を連結した発現プラスミドを作成し、培養細胞中でのSIK1の近接位に存在するタンパク質(結合/相互作用タンパク質)の網羅的な同定を、LC-MS/MS法で行っているから。

今後の研究の推進方策

塩誘導キナーゼ(SIKs)の機能発現機構を明らかにする目的で、生体(in vivo)により近い培養細胞内での、SIK1 の相互作用タンパク質を同定し、又、並行して行っている SIK2,3 結合タンパク質の解析との比較から、SIK1,2,3 全体で共通の、及び、SIK1,2,3 各々に固有の結合タンパク質を同定し、SIK1,2,3 タンパク質の個々の機能発現機構の相違などを明らかにしていきたい。又、同定されたタンパク質において、主にステロイドホルモン産生細胞/組織での発現/機能解析等を行っていきたい。

次年度使用額が生じた理由

2024年度への研究年度の延長を行ったため、年度内に使い切るのでなく次年度に繰り越して有効に経費を使用するため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は消耗品に使用する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Melanin-concentrating hormone receptor 1 is discarded by exosomes after internalization.2024

    • 著者名/発表者名
      Yamada R, Michimae M, Hamamoto A, Takemori H.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun.

      巻: 710 ページ: 149917

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2024.149917

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Simple methods for measuring milk exosomes using fluorescent compound GIF-2250/22762024

    • 著者名/発表者名
      Furukawa S, Kawaguchi K, Chikama K, Yamada R, Kamatari YO, Lim LW, Koyama H, Inoshima Y, Ikemoto MJ, Yoshida S, Hirata Y, Furuta K, Takemori H.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun.

      巻: 696 ページ: 149505

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2024.149505.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Autoantibody Profiling Using Human Autoantigen Protein Array and AlphaScreen.2024

    • 著者名/発表者名
      Takeda H.
    • 雑誌名

      Methods Mol Biol.

      巻: 2766 ページ: 107-128

    • DOI

      10.3390/ijms25031419.

  • [雑誌論文] Intermittent inhibition of FYVE finger-containing phosphoinositide kinase induces melanosome degradation in B16F10 melanoma cells.2023

    • 著者名/発表者名
      Kawaguchi K, Watanabe M, Furukawa S, Koga K, Kanamori H, Ikemoto MJ, Takashima S, Maeda M, Oh-Hashi K, Hirata Y, Furuta K, Takemori H.
    • 雑誌名

      Mol Biol Rep.

      巻: 50(7) ページ: 5917-5930.

    • DOI

      10.1007/s11033-023-08536-9.

    • 査読あり

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公開日: 2024-12-25  

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