研究課題/領域番号 |
20K08875
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
藤田 俊一 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30722607)
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研究分担者 |
向井 知之 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (00454421)
内田 治仁 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (00550857)
小畑 淳史 川崎医科大学, 医学部, 特任研究員 (10771298)
守田 吉孝 川崎医科大学, 医学部, 教授 (50346441)
金藤 秀明 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80448034)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 血管石灰化 / IL-17A / 動脈硬化 |
研究実績の概要 |
炎症性サイトカインによる血管石灰化への影響を評価するため、マウス大動脈を組織を用いたex vivoでの大動脈培養実験を行った。マウスより大動脈を摘出し、石灰化誘導培地で培養した。その培養系に炎症性サイトカインとしてIL-1β、IL-6、IL-17Aを加え、石灰化に及ぼす影響をマイクロCTおよび組織染色にて評価した。結果、IL-17Aが大動脈の石灰化を濃度依存的に促進することが分かった。IL-1β、IL-6にも一部促進傾向が見られたが,統計学的有意差は認めなかった。 本研究成果は、IL-17Aが血管石灰化の促進に働くことを示している。乾癬および乾癬性関節炎は、その病態にIL-17Aが強く関与することが知られている。本研究成果は、乾癬及び乾癬性関節炎患者において血管合併症リスクが増えることの機序の説明になると考える。また、本モデルは比較的簡便に血管石灰化を誘導できるモデルであり、本モデルを用いて治療候補薬剤の評価などにも用いることが出来ると考える。 現在までの研究成果は、下記の論文として報告した。 IL-17A promotes vascular calcification in an ex vivo murine aorta culture. Hiramatsu-Asano S, Mukai T, Akagi T, Uchida HA, Fujita S, Nakano K, Morita Y. Biochem Biophys Res Commun. 2022 May 14;604:83-87. doi: 10.1016/j.bbrc.2022.03.051. Epub 2022 Mar 10.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概要に記載の如く、炎症性サイトカインが血管石灰化に及ぼす影響を明らかとし、論文として報告した。
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今後の研究の推進方策 |
ex vivo培養系による血管石灰化モデルを確立したので、このモデルを用いて治療候補薬剤の石灰化抑制効果を評価していきたい。
また、血管石灰化部位における骨細胞の役割に関して、免疫染色等での評価を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費が当初の見込みより安価で抑えられたため、未使用額が発生した。未使用額は次年度の免疫染色用の抗体購入に充てる予定である。
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