研究課題/領域番号 |
20K08878
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
磯 達也 群馬大学, 大学院医学系研究科, 非常勤講師 (10400756)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 腎臓 / 脂肪酸 / 近位尿細管上皮細胞 / ネフロン / CD36 |
研究成果の概要 |
腎臓は、心臓と並び、単位重量当たりの安静時エネルギー消費量が最大の臓器である。腎尿細管上皮細胞のエネルギー基質は、心臓と同様に脂肪酸に大きく依存するが、心臓と異なり、腎臓の脂肪酸取り込み機構には不明の点が多い。申請者らは、これまでに、腎臓の脂肪酸代謝について、次の3つの重要な基礎的現象を明らかにした。1.腎尿細管上皮細胞は、血液(基底膜側、CD36依存的)と原尿(管腔側、CD36非依存的)の両方から脂肪酸を取り込む。2.ネフロンの近位部・遠位部は、いずれも大量の中性脂肪蓄積能を有する。3.腎臓には、病的腎であっても、原尿中の脂肪酸を完全に吸収するメガリン非依存的な強力な再吸収機構が存在する。
|
自由記述の分野 |
代謝および代謝学関連
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腎臓の脂肪酸取り込み機構が不明だったのには、大きく3つの要因があると思われる。一つ目は、原尿(管腔側)からの恒常的な脂肪酸取り込みの可能性について想定されてこなかったためである。2つ目は、アルブミンが恒常的に糸球体を一定程度通過するにも関わらず、それに伴う脂肪酸の原尿中への濾過の可能性について十分認知されてこなかったためである。3つ目は、二方向からの脂肪酸取り込みがあるため、一方の脂肪酸取り込み障害があっても、もう一方の取り込み増加によってマスクされてしまうからである。本申請課題は、これまでほとんど不明であった、腎臓の脂肪酸取り込み機構の全容解明に大きく貢献する独創性の高い重要な研究である。
|