研究課題/領域番号 |
20K08882
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
藤坂 志帆 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (30512082)
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研究分担者 |
戸邉 一之 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (30251242)
薄井 勲 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50377272)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 腸内細菌 / インスリン抵抗性 / 糖代謝 |
研究成果の概要 |
様々な栄養組成の食餌をマウスに投与し、高大豆油食によって構築される腸内細菌は最も肥満と糖代謝異常を引き起こすことを見出した。その機序としてノトバイオートマウスを用いた血漿のリピドミクス解析を通じ、高大豆油食の腸内細菌が血漿脂質プロファイルに最も大きなインパクトを及ぼすことを見出し報告した(iScience 2021)。和漢薬の防風通聖散は腸内細菌A. muciniphilaを増殖させ糖代謝を改善することを見出した(Sci. Rep. 2020)。さらに発酵食品成分XがA. muciniphilaの増殖を介して脂質の吸収を抑制し、インスリン抵抗性改善作用があることを見出した(投稿準備中)。
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自由記述の分野 |
肥満、インスリン抵抗性
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年腸内細菌叢の破綻が肥満や糖代謝異常の原因となることが明らかにとなり、腸内細菌叢の作用解明が注目されている。一方で特定の腸内細菌が宿主のエネルギー代謝や糖代謝にどのような影響を及ぼすのか明らかになっていない点が多かった。本研究で、私は無菌マウスと腸内細菌移植(ノトバイオート)実験の系を駆使して食餌の栄養組成、とくに高大豆油食や食品成分X、和漢薬、防風通聖散が腸内細菌叢をどのように変化させ、宿主の脂質代謝に作用して肥満やインスリン抵抗性を調節するのかの一端を明らかにすることができた。腸内細菌の作用を利用したメタボリック症候群の新たな治療戦略提案につながると期待される。
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