研究実績の概要 |
【実験Ⅰ】IBAT阻害薬投与による糖代謝・脂質代謝の解析(臨床研究の一部として):臨床研究のElobixibat投与群および対照薬(Lubiprostone)投与群の4週間投与前後の便サンプルで腸内細菌叢の構成を解析(16S rRNA PCR法)し各種臨床データと比較した。 【実験Ⅱ】IBAT阻害薬投与による糖代謝・脂質代謝の解析(基礎研究):C57BL/6J マウスへ高脂肪食負荷により耐糖能異常を誘導しつつIBAT阻害薬(Elobixibat)およびVehcleを経口投与し、以下の解析を行っている。 ・体重、摂餌量、体組成の変化・血液生化学・脂質プロファイル、FGF15/19・GIP・GLP-1など・運動量の測定(質量分析マウス用呼気ガス運動量12 チャンネルシステム)・経腹腔糖負荷試験およびグルコースクランプ試験による耐糖能、インスリン抵抗性の評価・腸内細菌叢解析(16S rRNA PCR法を用いて総菌量, Clostridium clusterXI and XIVa, Bacteroides fragilis,など) ・糞便、血清、肝組織中の胆汁酸分画を解析(HPLC: high performance liquid chromatography))・腸管組織および腸管内分泌細胞(enteroendocrine cells)の単離によるwestern blotおよび免疫組織染色による解析(FXR、I-BABP、OSTα/β、TGR5の発現量など)を行った。以上の解析によりIBAT阻害により糖代謝および脂質代謝の改善を示唆する結果が出ている。 【実験Ⅲ】腸管上皮細胞特異的IBAT欠損マウスの作成および糖代謝・脂質代謝の解析:Cre-loxP 相同組み替え法によりIBATが欠損するようにターゲティングベクターを構築し、常法に従いキメラマウスを作製中である。
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