研究課題/領域番号 |
20K08903
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 義人 京都大学, 医学研究科, 講師 (50547809)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 褐色脂肪組織 / 肥満症 / 糖尿病 / テトラヒドロビオプテリン / エネルギー代謝 |
研究実績の概要 |
テトラヒドロビオプテリン(BH4)が欠乏したマウス(hph-1マウス)について、出生時の褐色脂肪組織(BAT)の分化・成熟障害が起こっている因子を探索するために、BAT重量・機能がピークに達する出生時のhph-1マウスとコントロールマウス由来のBATサンプルを採取し、BH4が関与すBATの分化・成熟に関与する因子の探索を行った。 RNAシーケンス解析により、2群の主成分分析を行い2群間を判別することが可能であり、また、2群間の違いに寄与する因子を見出している。 また、BH4および関連物質の分化・成熟機構の詳細を明らかにするためBAT前駆細胞株を用いたin vitroの研究を行った。hph-1マウスのBATから作成した不死化褐色細胞株にBH4を投与したところ、BH4を投与せず分化成熟させた細胞と比較して、分化の成熟を示す脂肪滴の増加がみられた。さらに、BH4は一酸化窒素合成酵素の補酵素であり、分化・成熟への一酸化窒素シグナルの関与を示唆するデータが得られている。今後さらに分化・増殖の作用機序を調べる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
RNAシーケンス解析によりBH4によるBAT分化・成熟に関与する因子が見いだされた。メカニズムの解明が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
BH4のBATの分化・成熟に関与する因子を探索後、この因子を遺伝子学的に制御し新たなBATの分化・成熟に関わる標的分子の役割を解明する。
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