以前、我々は新規糖尿病感受性遺伝子Ildr2を同定し、ILDR2が脂肪肝発症に重要な因子であることを見出した。この分子機序解明のため、ILDR2結合因子を探索したところ、結合分子としてリン脂質脂肪酸転移酵素(MBOAT7)を同定した。MBOAT7はホスファチジルイノシトール(PI)のアシル転移酵素として知られている。そこで、ILDR2が脂肪肝におけるPIの質的変化に関与するかを肝臓特異的ILDR2欠損マウス(LKO-ILDR2)及びILDR2過剰発現マウス(OX-ILDR2)を作製し解析した。その結果、LKO-ILDR2の肝臓中PIは有意に増加、OX-ILDR2の肝臓中PIは有意に減少した。
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