研究課題
基盤研究(C)
近年、超音波検査において組織硬度を計測するelastographyが一般的になりつつあり、乳腺疾患や肝硬変において低侵襲に腫瘍や組織硬度が測定でき、その有用性が報告されている。一方、小児領域とりわけ小児悪性腫瘍においては、elastographyの組織硬度の検討は行われていない。今回我々は、神経芽腫や小児腎悪性腫瘍の小児固形悪性腫瘍患者において、超音波検査によるelastographyの組織硬度計測と、組織診断などとを比較することで、その診断や術前化学療法の効果判定などにおいて、有用なツールとなる可能性が示唆された。
小児固形悪性腫瘍
超音波検査において組織硬度を計測するelastographyは、小児領域での報告は非常に少ないものの、成人領域の乳腺疾患や肝硬変において低侵襲に測定できその有用性が報告されている。今回の検討では症例数が少なく、さらなる検討が必要ではあるものの、小児固形悪性腫瘍において、その診断や化学療法の効果の判定などに有用な可能性が示唆された。とりわけ、神経芽腫群腫瘍においては、悪性腫瘍である神経芽腫が、良性腫瘍である神経節腫へ分化してく際には間質成分が増えるため、腫瘍の硬度が変化している可能性があり、より低侵襲に簡便にその分化の状況を確認できる可能性があると思われた。