研究課題/領域番号 |
20K08933
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
連 利博 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (20140444)
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研究分担者 |
家入 里志 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00363359)
齋藤 滋 富山大学, 大学本部, 学長 (30175351)
津田 さやか 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (60839075)
春松 敏夫 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任助教 (70614642)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 胆道閉鎖症 / 母親マイクロキメリズム / CFSE-MLR |
研究実績の概要 |
2022年度は以下の二つの分析を完了した。 1.CFSE-MLRを用いた母児間免疫反応の予備実験:2歳から10歳までの10例の胆道閉鎖症(BA)患者を選定し、母児間で、母親から採取した末梢血よりFicoll比重遠心法(Lymphoprep)によりPBMCを分離し、BA患者および対照群のX線照射PBMCをstimulatorとしてリンパ球混合し、またその逆方向での母児間反応を広島大学移植外科の協力を得て分析した。10例中9例で末梢血リンパ球が20~30x106を得ることができ、CD4とCD8の分画の分析が可能であった。ほぼ全例で自己の子リンパ球刺激よりもStimulation Indexは大きく、双方的に免疫反応性は高かった。特に母親の患児に対する反応性は3例において3rd partyよりも高反応を示した。今後、CD4については制御性T細胞について分画の特徴を分析する。 2.BA患児術後末梢血中の母親由来キメラ細胞の定量分析(Frontiers in Pediatrics DOI 10.3389/fped.2022.1007927に掲載):鹿児島大学で葛西手術を行い2年以上経過観察中の12例の末梢血において非遺伝性HLAをプローブにして母親由来キメラ細胞の定量をFred Hutchinson Cancer Research Center(シアトル)に依頼し分析した。結果として、7例にBuffy coat中に106個の細胞中平均328個の母親由来細胞が存在し、5例は予後不良で、有意に予後と相関した。すなわち、術後年月を経ても母親細胞が末梢血中に存在することは予後を左右し、本症の本質的な病態と関連していることが窺える。 出生前診断されたBA患児の臍帯血分析について倫理委員会に申請し、承認された。今後、臍帯血での分析も可能となる。
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