研究課題
免疫不全マウスを用いた治療実験1) NOD/SCIDマウスにTN乳癌細胞株を接種し、腫瘍のサイズが120-140mm3になったところで、治療の前日に抗原特異的CTLクローンをivする。ここでは、我々が以前より実験を行っているSurvivinのCTLクローンを用いる。マウスをPlacebo群、抗VEGF抗体投与群、抗PD-L1抗体投与群、ERO1-Lα阻害剤誘導体(ERODXIN)投与群および3剤併用群の5群に分け治療実験を行う(図5)。薬剤投与(1週間)後に腫瘍を摘出して免疫染色を行い、HIF-1α、VEGF-A、PD-L1、ERO-L1αの発現量を調べる。2) NOD/SCIDマウスにTN乳癌細胞株のERO1-Lαをノックダウンした細胞株を接種し、腫瘍増殖能、関連蛋白の発現量を同様に調べる。その結果、1) Placebo群、抗VEGF抗体投与群、抗PD-L1抗体投与群、ERO1-Lα阻害剤誘導体(ERODXIN)投与群および3剤併用群は3剤併用群で一番抗腫瘍効果を認めた。また薬剤投与後の免疫染色による個々の発現量に関しては、ERO1-Lα阻害剤で治療を行った後の腫瘍に関する群においてERO-L1αの発現量が低下したことを確認した。腫瘍周囲微小環境の評価上記治療が腫瘍増殖に与える影響について、腫瘍周囲微小環境に関して評価する。組織レベルでのCTLの浸潤や血管新生などをそれぞれCD8およびCD31を用いて評価する。また、CD8+ T cellをフローサイトメーターで分離し、エリスポットアッセイにてペプチド特異的CTLが誘導されているかを評価する。こちらの評価に関しては、CTLの浸潤や血管新生もCD8やCD31の免疫染色により腫瘍周囲の微小環境の変化は確認できた。