研究課題
(A) DPFブタの作出と飼育: DPFブタは妊娠末期のブタに対し、a. 子宮全摘出術、b. 無菌アイソレーター内による胎児の蘇生、c. 幼若ブタの人工哺育、を行い産出した。アイソレーター内での飼育では、ブタは厚生労働省が指定する一般細菌/ 真菌に対する検査に対し無菌状態が保たれていた。(B) DPFブタからの適切な膵島分離時期の同定、膵島の分離法の確立、(C) DPFブタからの膵島分離におけるSOPの作成: 日齢30日のブタから期待しうる組織の収量の確保が可能で、培養中の膵島はジチゾン染色陽性細胞塊が80%以上であった。免疫染色で細胞はインスリン陽性かつグルカゴン陽性細胞であった。(C) SOPの作成は、本試験は現在も継続中であり、SOPは順次作成する。(D)分離した膵島はBioartificial pancreas (BAP)とし、ヒト型糖尿病ミニブタに鏡視下手術にて移植: 培養7日目以降、膵島の大きさはφ100-300μmであったため、BAPのためのカプセルの大きさはφ約500μmとした。また、著者らはヒト型糖尿病ミニブタの作出法を樹立したが、本ブタは多数を本試験に使用できないため、野生ブタに (i) 胸腺、脾臓を摘出、胃瘻を造設、(ii) 胸腺摘出と胃瘻の造設、(iii) 胃瘻造設術のみ、を施行し、これら 3種に、タクロリムス水和物、ミコフェノール酸モフェチル(MMF)、プレドニゾロンを手術の6日後より胃瘻から投薬し3種の免疫不全ブタを作出した。(E) 移植後の膵島の追跡から移植に最適な部位の探索と移植後の膵島の機能評価:腎皮膜下、大網、膵臓内へトレーサー付きの細胞を移植した。i、iiiでは、いずれの移植部位でも移植2週間後まで移植細胞由来の腫瘍が確認できた。iiでは、移植1週間後、確認できなかった。移植2週間後までMMFが有効血中濃度に達しなかった。
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Regen Ther.
巻: 12 ページ: 62-72
10.1016/j.reth.2022.05.010.