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2023 年度 実施状況報告書

癌微小環境由来免疫抑制性エクソソームによる癌免疫逃避機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20K08947
研究機関独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部)

研究代表者

尾上 隆司  独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部), その他部局等, その他 (90549809)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード癌微小環境 / エクソソーム / 免疫逃避
研究実績の概要

これまでのin vitroの実験で腫瘍微小環境を模した培養上清から分離したエクソソームがT細胞抑制性を持ち、免疫抑制性エクソソームであることを明らかとした。さらに同実験系において、癌細胞からの上清にHMGB1中和抗体を作用させることにより癌微小環境由来のエクソソームがT細胞抑制性を失うが、アイソタイプコントロール抗体では癌微小環境由来のエクソソームがT細胞抑制性を保持することを見出した。この結果より、腫瘍からのHMGB1が微小環境からの免疫抑制性エクソソーム分泌に関わっていることが示唆された。In vivoモデルであるマウスへのB16メラノーマ細胞接種実験では、炎症物質との同時接種によりB16メラノーマ腫瘍増大を有意にみとめたが、この増大はレシピエントマウスへのHMGB1中和抗体により減弱された。この結果から、in vivoでもin vitroと同様の機序で、癌由来のHMGB1が癌微小環境での免疫抑制性エクソソーム分泌を惹起し、腫瘍微小環境での免疫逃避を引き起こしている可能性が示唆された。
現在、腫瘍抗原特異的T細胞を用いて、上記メカニズムが癌抗原特異的な反応であることをin vitroおよびin vivoモデルで検証中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

これまでの新型肺炎ウイルス流行および研究室の使用制限や試薬提供業者の制限で研究は遅滞している。またコロナ禍による遺伝子改変マウス供給の遅滞により、トランスジェニックマウス入手が大幅におくれたため、これに関連する実験も遅れているが、現在入手し予定の実験を進めている。

今後の研究の推進方策

現在、通常通りの実験スケジュールに戻り、実験進行は回復したため、in vivoモデルでの血液中エクソソームの分離・解析を再開、抑制性エクソソームのプロファイル解析を進める。

次年度使用額が生じた理由

新型肺炎ウイルス流行対応により、十分に研究実験が進まなかった。また、遺伝子改変動物の繁殖が途絶え、再購入も新型肺炎ウイルスによる供給遅延により、引き続く実験が遅れているのが原因である。研究期間延長を行ったことにより、次年度使用額はこれらの購入に使用する予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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