研究課題/領域番号 |
20K08948
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
原田 成美 東北大学, 大学病院, 助教 (70547413)
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研究分担者 |
石田 孝宣 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00292318)
古本 祥三 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (00375198)
鈴木 貴 東北大学, 医学系研究科, 教授 (10261629)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アミノ酸代謝 / LAT1 / 内分泌療法耐性 / 化学療法耐性 / ミトコンドリア代謝 |
研究実績の概要 |
これまで我々は、乳癌組織が糖代謝のみならず様々な代謝経路を駆使し、増殖の維持や薬剤耐性を惹起していることを明らかにしている。なかでも、アミノ酸トランスポーターであるLAT1の発現は予後不良因子であり、ER陽性に乳癌において化学療法(2020年に論文発表)と内分泌療法(2021年に論文発表)の耐性に関連することを報告している。 2022年度は、LAT1の発現が予後不因子となる原因を探るべく、転移・再発乳癌症例における転移巣でのLAT1発現について検討した。転移・再発巣に対し、生検または手術を施行した83例 (小脳・脳転移13例、肺転移20例、肝転移7例、胸水・腹水・心嚢液のセルブロック24例、骨転移17例、卵巣転移2例)について、LAT1の免疫染色を行った。評価は染色範囲(P)を0-10、染色強度(I)を0-3とし、P x I =Total score(TS)0-30を用いて行った。 年齢中央値は59歳(33-85歳)、ER/PgR陽性54例・陰性22例・不明7例、HER2陽性13例・陰性57例・不明13例であり、スコア分布は1-30であった。TS 12以上を陽性としたところ、全体で陽性は28% (23例)であったが、骨転移で55% (11例)、肝転移で42.9 %(3例)であり、転移部によってLAT1の発現が異なっていた。転移・再発巣における微小環境への適応するため、アミノ酸代謝リプログラミンが起こっていることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床検体を用いた検討は、転移再発巣でのLAT1発現の確認へと進め、進捗は概ね順調である。本研究は診断までの一体化戦略を目指しており、PETトレーサーの開発に向けた基礎的研究が必要である。COVID-19の影響により、RIセンターでの実験に着手できなかったため、今年度に実験を開始する。
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今後の研究の推進方策 |
上述のように、COVID-19の影響により研究が遅延しており、今年度中にアミノ酸代謝を標識するPETトレーサーを用いた画像診断の開発に向け、細胞株を用い、18Fで標識されたアミノ酸取り込みの評価を行い、生体内での可視化についての基礎的な検討を行う 。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19により、RIを用いた実験が遅延している。本年度中に実験を開始し、予算を執行する予定である。
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