甲状腺未分化癌に対する新規治療戦略を開発するために、多標的チロシンキナーゼ阻害薬であるレンバチニブの、未分化癌細胞株FROに対する感受性を解析し、以下の結果を得た。(1)レンバチニブ投与により、FRO細胞のEGFRリン酸化が活性化する。(2)レンバチニブとEGFR阻害剤の併用は、in vitroでのFRO細胞の増殖を相乗的に抑制する。(3)FRO細胞移植マウスモデルで、レンバチニブとEGFR阻害剤の併用はアポトーシスを有意に増加させ、レンバチニブ単剤投与に比べ、有意に腫瘍増殖を抑制する。以上から、甲状腺未分化癌に対し、レンバチニブとEGFR阻害剤の併用が、新規治療戦略になる可能性が考えられた。
|