研究課題
本研究では腫瘍微小環境構築のkey regulatorである腫瘍関連マクロファージ(TAM)に着目し、Cancer cell-TAM interactionやTAMにより誘導される癌関連線維芽細胞(CAF)による癌難治性の機序解明を目的とする。まず、マクロファージを、Cancer-CM(conditioned medium)・CAF-CM・TAM-CMで培養し、TAM1 (Ca.)・TAM2 (CAF)・TAM3 (TAM)を作成した。TAM3 (TAM)ではIL-6が上昇しており、TAM自身のTAM誘導能はないことが証明された。TAM1 (Ca.)-CM・TAM2 (CAF)-CMは、腫瘍増殖能・浸潤能とも増強し、特に TAM2 (CAF)-CMは他のCMと比較し、PAI-1分泌能が増強していた。PAI-1阻害は、TAM2 (CAF)-CMでのみ、腫瘍増殖能・浸潤能を低下した。CAF-CMのみのPAI-1産生性TAM誘導の要因については、CAF-CMではCXCL12が高濃度で、CAF-CMに対するCXCL12抗体が、TAM2 (CAF)の特徴的機能であるPAI-1分泌能が低下させることを確認した。さらに、線維芽細胞も同様の手法でCAF1 (Ca.)・CAF2 (TAM)・CAF3 (CAF)を作成した。CAF1 (Ca.)-CM・CAF2 (TAM)-CM・CAF3 (CAF)-CMは正常線維芽細胞(Lx2)-CMより腫瘍増殖能・浸潤能とも増強し、特に CAF2 (TAM)-CMは他のCMと比較し、osteopontin分泌能が増強しており、osteopontin阻害は CAF2 (TAM)により増強した腫瘍増殖能・浸潤能を低下した。これらのことから、本研究では癌から誘導されたTAM、CAFから誘導されたTAM、TAMから誘導されたCAFなどの腫瘍微小環境におけるinterctionが確認できた。
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